131111 雲が「とれる」?

 春はあけぼの。  やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて、  
むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。清少納言「枕草子」第一段

天気予報を伝えるキャスターには 変な言葉遣いの人が多いが    
      とりわけ気になるのが、「雲がとれる」という表現だ。

この「とれる」は、ボタンが取れるの「とれる」ではないだろうし、野菜が採れるの
「とれる」や、魚が穫れるの「とれる」でもないだろう。            
 やはり雲がとれるの「とれる」は、痛みやおできなど、今まで取り付いていた厄介
な状態が消えてなくなる、という意味で使われているに違いない。        

 はて? お天気キャスターって、そんなに雲がお嫌いなのかな?
上空で千変万化する雲ほど美しく、想像力をかき立てるものはないのにねえ。
第一,雲がなければ 恵みの雨や涙の雨は 降らないよ。

あの清少納言を魅了した、山際に紫だちて細くたなびきたる雲も、
お天気キャスターにとっては、忌まわしく厄介なものに思えるらしいなあ。

嗚呼、小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ。 涙の藤村





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