150222 日本の民度の低さを示す所沢市の住民投票

埼玉県所沢市で15日、航空自衛隊入間基地に近い防音校舎の小中学校にエアコン
を設置すべきかどうかを問う住民投票が行われた。即日開票の結果、賛成が5万69
21票で反対の3万47票を上回ったが、投票率は31.54%にとどまり、市条例
の「多数票が投票資格者の3分の1以上」の条件を満たさなかった。     
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150215-00000061-mai-soci
  (毎日新聞 2月15日23時38分配信) より引用       


 民度とは、ある国家や社会の構成員(市民)の政治的・社会的・文化的意識の高さ、
つまり民主主義体制の下での主権者としての教養や意識レベルの尺度であるという。 

 実のところ筆者は、政治資金不正会計の露見ものかは、小渕優子氏を悠々当選させた
衆院選群馬5区(渋川市、富岡市、安中市ほか)の民度の低さを嘲笑していたのたが、
今回の住民投票で見せた地元所沢市の民度の低さに、正に赤面ほうほうの体である。 

 確かに、小中学校のエアコン設置の可否という、多少日常的なテーマでの住民投票に
戸惑った有権者も多かったかも知れない。しかし今回の住民投票の重要なポイントは、
テーマ自体ではなく、基地騒音に悩む小中学校のエアコン設置要望に対し、「自然との
調和の重視」などという珍妙な私見を盾に設置を拒否した藤本正人所沢市長の官僚的な
独善性を肯定するか否かという問題であった筈である。              
 にもかかわらず、多くの所沢市民が住民投票という政治への直接参加の貴重な機会を
放棄した。その政治意識や自治意識の低さには驚き呆れるほかない。        

 もっとも今回の低投票率の背景として、所沢市行政当局の怠慢も挙げられる。まず、
公示から投票日までわずか1週間なのに、住民投票の広報配布が遅れ、期日前投票には
ほとんど間に合わなかったという事実がある。しかもこの広報たるや、事務的形式的な
事項を含んで文字数がやたら多くて読みづらい上、住民投票の最も重要な条件、つまり
「多数意見であっても有権者数の3分の1に達しない場合は無効」という記載が広報を
隅から隅までじっくり読まないと気がつかない代物なのである。これでは、意図したか
否かは別として、投票率の向上は到底望めないだろう。              


写真:読むのもうんざりする所沢市の住民投票広報

 このような行政の緩慢な動きに比較して、エアコン設置反対派つまり市長派の動きは
迅速で、公示の1週間も前に反対ビラを各戸に配布し我々を驚かせた。むろんこのビラ
は、責任団体の所在や責任者氏名について一切記入のない悪質なビラである。    


写真:公示前にいち早く配布されたエアコン反対派の無責任ビラ
          
 結局のところ、今回の住民投票は冒頭の引用記事にあるように 賛成票が反対票を大
きく上回ったのに、有権者数の3分の1に達しなかったため無効となった。     
 ところで今回新設された所沢市の条例は、なぜ「有権者の3分の1以上なら有効」と
規定したのだろう? 筆者はその経緯を知らないが、恐らくその程度の得票がなければ
民意とは言えない、ということだろう。                     

 しかし藤本市政が誕生した2011年の選挙の場合、投票率が35%で、藤本市長の
得票は有効投票数の40%であった。つまり有権者数の3分の1どころか7分の1にも
満たず、とても民意とは言えないと思うのだが? この点について、市条例に携わった
市長や市議会など関係者の見解を伺いたいものだ。                

 少し本題からずれてしまったが、群馬5区選挙民が見せたグローバル感覚の欠落や、
所沢市選挙民が示した政治意識・自治意識の欠如は、一地方の問題ではないように思え
る。もともと西欧に劣っていた日本の民度レベルは、民主党政権への幻滅を契機に一層
低下し、言論の自由を含めて世界の三流国の様相を示しているように思えろ。    
 だから、ここで有権者がもう一度グローバルな視点で政治を見なおし、立憲主義的な
立場から自らの行動を律して行かなければ、この国の官僚的な中央集権化がますます進
み、弱い立場の民意が無視された格差社会の固定化が進むだろう。そして、その先に見
えるものが、戦前をいささかでも体験したわれわれ戦中派を暗澹とさせるのだ。   
 

写真左:選挙区の謝罪行脚で深々と頭を下げる小渕優子氏                     
引用先:http://www.sankei.com/premium/news/141209/prm1412090006-n1.html            
                写真右:住民投票の投票率が低くて残念、と所沢市長藤本正人氏
            引用先:http://news.livedoor.com/article/detail/9790703/

                 
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