part.2 痛風の自己治療;危険な薬剤使わず、生活改善で

 発症の状況                             
 痛風を発症したのは4年前の初夏、寝苦しい熱帯夜 好物のビールをいつも
より多めに飲んで ぐっすり寝込み、明け方トイレに行きたくなって目が覚め
たのだが、どうも右足の親指の付け根が痛む。              
 何かの拍子に突き指でもしたのだろう、と判断し 忘れようとしたが、時が
経つにつれて痛みが酷くなり 夕方には歩行が苦痛になり、横になっても右足
うずくように痛み、寝返りもままならぬ一夜を過ごした。         
 朝方、起きる頃には痛みが頂点に達し,ものにつかまらないと歩行できず、
1メートル歩くのに1分かかる有様に、「ついにやったか!」と観念した。 

 というのは、健康診断を受けると 常に尿酸値が高く、高尿酸血症治療薬の
の服用を勧められていたからだ。数値的には8.5前後の状態が 現役時代から
十数年続いていたが、自分は痛風になりにくい体質だ,と高をくくっていた。
それにしてもこの痛さは尋常ではない。痛風の意味が、痛いほど分かった。 

 応急処置と再発                           
 とにもかくにも 痛風の発症原因や治療方法に関する情報を漁ってみた。
 発症原因は,血液から析出した尿酸の針状結晶が 関節に蓄積し、これを
攻撃するために集まった白血球が放出する物質が痛みと腫の原因だと言う。
発生部位は、足の親指の第2関節が最も多いと言うが、今回もそうだ。  

 応急対策の一番目として、尿酸の原料となるプリン体が多く含まれる食品
の摂取を減らすことが重要らしい。                  
 プリン体が多い食品って、レバーに干物に乾物、カツオにマイワシ、大正
エビ、それに魚卵にうなぎ、それに大好きなビール、みーんな止めた。  
 応急対策の二番目は、尿酸の析出を防ぐための十分な水分補給が大切だと
いうこと。そういえば痛風を発症した夜は、ビールをしたたか飲んだ割には
食後の水分補給が少なく、トイレもチョッピリだったなあ! と反省、毎日
ミネラルウォーターを 朝からたっぷり飲み続けることした。      

 親指の痛みと腫は,数日の内に まるでウソのように消えてしまったが、
だが、痛風は再発しやすく、再発を繰り返すと関節が変形し、やがて全身の
関節に及ぶ恐ろしい病気だ。食生活に十分注意し、水分を補給し続けた。 

   にもかかわらず、痛風を再発したのだ。ショックだった。       
それは、最初の発症から約1ヶ月後、意外に早い再発だった。 それに今回
は、痛みは前回よりも少し低減したが 腫は ひどかった。       


 病院へは行ったものの                       
 わずか1ヶ月での再発に、これは大変なことになると思い、まだ腫が引き
きらない内に病院へ行った。靴は無理なのでサンダル履きだったが、なぜか
前回とは違い 顔をしかめながらも、ゆっくりなら痛みを我慢して歩けた。
           
 診察をしてくれたのは 外勤らしい女性医師だったが、こちらから従来の
尿酸値の傾向や発症、再発の経過を説明すると、腫のチェックをした程度で
尿酸を減らす薬を処方してくれたが、レントゲン検査や血液検査など、特に
診察らしいものなかったので不安になった。              

 処方箋を持って薬局へ行くと、薬を手渡しながら薬剤師が「この薬は尿酸
を減らす効果は高いのだが、副作用があり もし手のひらがに赤みが出たり
めまいを感じるようなことがあったら、服用を止めて お医者さんと相談し
て下さい」という。了解ですと返答したものの、頭の中が真っ白になって、
診察結果への不安が不信に変った。そして、この薬は飲むまいと決心した。

 一両日で痛みも腫も引き始めたので、別の病院を探そうと思ったが、その
前に 念のため、インターネットで情報を集めることにした。痛風に関する
情報はごまんとあるのだが、表面的で画一的なものが多く探索に難航した。
 しかし探索キーワードの組み合わせをあれこれと変えて探し回った結果、
ようやく専門的な見地からの痛風治療指針を発見、これだ!と直感した。 

 痛風治療指針の概要                        
 見つけた治療指針は専門的なもので 難解な部分も多いが、その中から 
自己治療に参考になる記述を抜粋すると 以下の通り。(原文のまま抜粋)

 診  断                                    
 高尿酸血症では血清尿酸値>7.0mg/dl。 高尿酸血症が持続して痛風関節炎を起こすと
痛風と診断される。 痛風関節炎はガイドラインの診断基準によって診断する。    
 痛風関節炎の特徴を理解していれば問診だけでも容易。              
 治  療                                   
 生活指導が薬物療法に優先し、肥満の解消を目的とした食事指導が重要である。   
 生活指導によっても痛風発作を繰り返す患者には、尿酸降下薬投与が必要である。  
 臨床検査項目                               
 高尿酸血症を来している病態の把握と治療薬剤の適正使用の両面から、病型を分類
することが望ましく、種々の分類方法が考案されている(表4)。        
 ガイドラインは1時間法尿酸クリアランス試験を推奨しており、尿酸クリアランス
(Cua)と尿中尿酸排泄量(Eua)を測定。                  
 処 方 例                                 
 産生過剰型:Eua>0.51mg/kg/時、  排泄低下型:Cua<6.2ml/分より判定
以上が尿酸降下薬投与の目安である。 原則として、産生過剰型には尿酸生成  
抑制薬アロプリノール(ザイロリックなど)、 排泄低下型には 尿酸排泄促進薬
ベンズブロマロン(ユリノームなど)を推奨。  少量で開始し、当初は定期的 
な血液検査が必要である。                         

引用先 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/guide line2008/06-4.html        
ガイドライン 外来診療2008 高尿酸血症:痛風 帝京大学 医学部附属病院 内科教授 藤森 新

 この治療指針の要点は次の通りである。                
(1)痛風発作かどうかを 正しく判定すること。            
(2)痛風発作を確認したら まず生活指導を行うこと。         
   :肥満の解消を目的とした食事指導が重要             
(3)生活指導をしても痛風発作を繰り返す患者には、尿酸降下薬投与。 
(4)その場合,尿酸生産過剰型か 尿酸排泄低下型かを判別すること。 
(5)型の判別試験方法、ならびに 型に応じた投薬例。        

 実に的確な治療指針だと感じた。現代医学はそれなりの部分もあるのだ。
にもかかわらず、自分が受けた診療は、なんとお粗末なことか。治療指針の
(1)はともかく、(2)から(4)を割愛して、いきなり(5)である。
医学が進歩しても、それに理解がおよばない低レベルの医者がいる、という
ことだ。処方された薬を飲まず,本当に良かったと思った。       

 自己治療とその結果                        
 前記の治療指針では、まず肥満解消とある。実は、痛風発症当時の私は、
身長わずか162cmに対し 体重70kg超 を誇って?いたのだが、これは
まずいと、過去の検診データをひっくり返して調べてみた。       
 その結果分かったのは、二昔も前 体重が60数kg以下であったときは、
尿酸値が6以下であったことである。そして体重が増え出し、65kgを超え
始めた頃に尿酸値が7を突破、70kgに達すると尿酸値が8を超えたのだ。
このように、尿酸値が体重にリンクすることが明確になり、痛風の治療方針
も確定した。要は「健康的に体重を減らすこと」である。        

 実施した生活改善の概要は次の通りである。             
 栄養管理                              
 栄養のバランスとカロリー低減、腹八分目、時間かけ よく噛む。   
晩酌は週1回のみでビール減焼酎増、毎日、乳製品+野菜ジュース+緑茶 
プリン体は少しずつ解禁、水のがぶ飲みは徐々に通常モードに。     
 健康管理                             
 規則的な食事と睡眠時間、早寝早起き、睡眠6時間、座昼寝30分。  
ウォーキング500歩/日、仕事部屋2回に移し階段昇降1000歩/日。
そのほか、簡単なストレッチ運動や腹筋運動、つま先歩行など若干。   

 いきなり結論に飛んで恐縮だが、それから4年半の間、痛風発作はない。
今後も、永久に起こらないと確信している。体重は 以前より10kg前後も
減少して 62kg程度、尿酸値も7.0を切った。           

 体質が改善されたと言うよりは、不摂生な生活で悪化した体質が、もとの
健全な体質に戻った、言うべきだろう。当然のことだが、危険な薬剤を服用
する必要はなく、痛風発作の心配もない。              
 痛風には先天的な原因によるものなど、本人の努力では 対応できない
場合もあるが、その多くは 今回のように 本人の不摂生み起因すると思わ
れるので、このレポートがご参考になれば幸いである。        

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 以上で、痛風については一件落着となったが、意外なことに、この痛風 
発作が 実は、part3 の外反母趾発作に関係していたのである。     

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