ICRPへようこそ

わたしどもは 世界で最も権威ある放射線の委員会です.
正式には、International Commission on Radiological Protection
日本語では 国際放射線防護委員会と訳されています.

ご存じだと思いますが われわれは国連の機関 ではありません.
建前上 どの国にも属さない 私的科学団体 NPOです.

にもかかわらず 貴国をはじめ アメリカやフランスなど
世界中のほとんどの国が 我々の勧告に従って 被曝基準を定めています.
われわれに いかに権威あるかが これからも分かります.



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なぜ われわれに それほどの権威があるのでしょう?
まず 戦後60年営々と築いてきた輝かしい歴史と伝統があります.
各国原子力関係の権威者の集まり であることも 理由の一つです.

しかし もっと大きな理由が ほかにあります
それは われわれの放射線被曝に対する優れた考え方です.

われわれの目標は、放射線被曝の排除 つまり 絶対的な安全 ではありません
なぜなら 原子力技術の開発や利用には 多かれ少なかれ 放射線被曝がつきものなので
絶対安全を求めると 原子力技術の開発や利用が出来なくなってしまうからです.

それを防ぐためには
「被曝リスク」と「放射線利用の利益」とのバランスを計る
ことが大切なのです.
このような われわれの考え方を明確に示したのが 下の図です
そして、この図こそが 世界中を魅惑するICRPの原点に ほかなりません.



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では じっくりご説明いたしましょう 

放射線の強度には
被曝すれば 誰もがすぐに健康被害を受ける「高線域」と    
被曝しても ほとんど誰もが被害を受けない「低線域」があります.

被害が明らかな高線域は だれも 受け容れられないでしょう.
逆に 被害のが殆どない低線域はだれも気にしないでしょう.

問題は その中間の放射線強度です.
この領域では 多少の犠牲者が出るので 誰も進んでは受け容れないでしょう
しかし 膨大な社会的損失を減らすためなら 耐え得る(我慢できる)筈です.
そこで わたくしどもは これを「Tolerable」領域と呼びます.
そして この領域の上限を 線量限界(被曝限度) に定めるのです.

社会的損失には 技術的損失や経済的損失など いろいろありますが
それが大きければ大きいほど 被曝限度をより高く設定しても構わない筈です.
つまり 被曝限度は固定値ではなく 状況に応じて自由に変えてよい値なのです..

むろん 被曝限度を高く設定すると 犠牲者は増加します.
しかし それに見合うだけ 社会的損失が減るので「Tolerable」なのです.


具体例で ご説明しましょう
ICRP勧告による 一般公衆の平常時の年間被曝限度は年間1mSvです. 
しかし 福島原発事故発生後も 貴国がこれを守ろうとしたどうなったでしょう?
福島県はおろか 関東や東北を含む 何千万人の人を避難させる必要があり
何兆円 何十兆円 の費用が必要だし 社会の大混乱は必至です.

このような事態にそなえ
ICRPは 公衆の被曝限度を緊急時には20〜100mSvにして良いと勧告しています.
これを受けて 貴国政府は 一般公衆の年間被曝限度を20mSvに格上げしました.

これによって、将来的には 被曝犠牲者が増えるであろうけれども 
避難者の数を数万人程度と 大幅に減らすことができました.
犠牲に十分見合うだけの 社会的損失の低減を 貴国は達成し得たのです



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貴国の 年間被曝限度を20ミリシーベルト格上げ については
国内外の一部の人達が非難をしているものの.
与野党を含めて 反対運動をやっている国会議員を お見受けしないし
新聞やテレビでも ごく当然のこととして 報道し 解説して頂いています.

結論的に言えば
ICRP勧告の受け入れは 貴国の国民的合意事項になっているのです.
このことは、最も放射能被害を受けた福島県の被曝コンサルトY氏の
以下の発言から明らかである といえましょう.

「100人が100mSvを浴びると がんになる人が一生涯のうちに一人二人増えます.
(しかし)現状ではがんになる人が目に見えて増えるというようなことはあり得ません.
・・・・・・・・・・・・・・・・・
 国家存亡の非常事態に すべからく国民が その重荷を分担する覚悟が必要であり・・」
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念のため 確認しておきますが
もし あなたがICRPの考え方に賛同され 被曝限度の勧告を受け入れた場合は
その被曝限度以下の放射線環境なら むろん無防備な生活を送られて良いのですが
「放射線被曝によるガン死の心配は全くない」
という保証が与えられているわけでは ありません..

2011年8月31日

参考文献:http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-08-04
 ICRP1990年勧告によるリスク評価 (09-02-08-04)        
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/164.html ICRPの実像に迫る110822
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/600/79535.html NHK「かぶん」ブログ
http://smc-japan.org/?p=1413< 山下俊一:放射性物質の影響